塗装回数について
塗装でグレードや色目と同じくらいに重要な項目が塗り回数です。下塗り2回・上塗り2回(中塗り1回・上塗り1回)などと見積書に記載されております。見えない部分なのに塗料費と手間を掛けて、何回も塗装することにはとても重要な意味があります。
【下塗り】 下塗用塗料には色の選択はなく、透明や乳白色の液体です。1製品で全てを網羅することはできません。お客様のご希望(凸凹の有無)や塗装対象物の状況によって2種類使用する場合もございます。通常、1種類は1回塗りなので、2種類だと2回塗りとなります。
■機能/目的: ・旧塗膜や母材と新たな上塗り(中塗り+上塗り)塗膜の密着を高める ・旧塗膜や母材の塗料の吸込みを抑える ・旧塗膜や旧塗膜に浸透し補強する ・微細な汚れを固める ・鉄部では錆止め ・アルカリシール ・凸凹をつける (凸凹仕上がりご希望の場合) ・微弾性・弾性をつける (微弾性・弾性仕上がりご希望の場合)
■下塗を怠った場合/選定を誤った場合: ・完成後に塗膜が剥げる ・完成後に塗膜が膨らんでくる ・上塗り塗料がムラになる ・鉄部の場合は錆びる ・希望の凸凹がない ・硬い塗膜になる
※その他にもクラック/割れ部分を補修するフィラーや、修部や目地に使われるシリコン等からの成分の染み出しを押えるシーラーも重要な塗装作業です。
【上塗り(中塗り)】 一般的にカタログに「アクリル系・ウレタン系・シリコン系・フッ素系○○円と記載される」塗料です。1回で塗装が完了するような粘度の高い(ドロドロの)塗料では塗膜の厚みにむらができるので、粘度の適正な(トロトロ程度の)塗料で薄い膜厚を2回つけることによって均一であり、必要膜厚を満足させる塗装を行います。 ほとんどの塗料でメーカーの標準仕様の上塗回数は2回以上です。
■機能/目的: ・色をつける ・耐候性 ・防汚性 ・遮熱性 ・防カビ
防藻性 ・凸凹をつける (凸凹仕上がりご希望の場合) ・下塗を保護する
■1回塗りで完了した場合: ・膜厚にムラがあるので、全ての機能が落ちる
下塗りや上塗り(中塗り)をきちんと施工していなくても、塗装完了お客様引き渡し時には、凸凹があるかないかぐらいしか判別できない為、ほとんどの場合数年後に判明します。
10年程度で判明せずに、次回塗装の時期が来た場合には次回塗装の品質が落ちることになります。施工不良及び手抜き工事の影響は屋根・外壁を交換するまで残りますので業者選定は慎重にお願いします。
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